今回は、レザークラフトの床面とコバを仕上げる「トコノール」と「トコフィニッシュ」の違いについてです。
先に結論をお伝えすると、仕上がりに大きな差はありません。
違いが出るのは「処理する面の広さ」です。
広い床面を一度に処理するならトコノール、コバのような細かい部分を手早く仕上げるならトコフィニッシュが使いやすいと感じています。
私は両方を使ってきましたので、この記事では以下をまとめます。
- トコノールとトコフィニッシュの具体的な違い
- どちらを選べばよいか
- 床面処理とコバ処理のやり方
- ガラス板がないときの代用品

トコノールとトコフィニッシュの違いを比較
まずは違いを表にまとめました。
| 項目 | トコノール | トコフィニッシュ |
|---|---|---|
| メーカー | 誠和(SEIWA) | クラフト社 |
| 見た目 | 白いクリーム状 | 透明のゼリー状 |
| 粘度 | 高い(ハンドクリームのよう) | 低い(水のりのよう) |
| 浸透速度 | ゆっくり | 速い |
| 伸ばしやすさ | やや重い | とても伸ばしやすい |
| 向いている作業 | 広い床面の処理 | コバなど細かい部分の処理 |
| 継ぎ足し | 何度か必要 | 少なめ |
見た目と質感の違い
トコノールは白いクリームのような状態です。
ハンドクリームを塗っているような感覚で、トコフィニッシュに比べて粘度が高くなっています。
トコフィニッシュは透明のゼリーのような感じです。
水のりに近く、とても伸ばしやすいですね。
一番の違いは革に染み込む速度
両者の一番の違いは、革に染み込む速度です。
トコノールは粘度が高いためか、革に浸透する速度が比較的ゆっくりです。
そのため、広い面に塗っても最初に塗ったところが乾いてしまうことがありません。
急がずにじっくり作業できます。
トコフィニッシュはすぐに浸透して乾き始めます。
塗ってすぐにこすれるので、コバのような細かい部分はテンポよく進みますね。
ただし広い面を処理するときは、最初に塗ったところがすぐ乾いてしまってやりにくいと感じました。
どちらを選べばいいのか
少量の面を処理する場合は、どちらを選んでも問題ありません。
迷ったときの選び方はこちらです。
- 財布やバッグなど、広い床面を処理することが多い方 → トコノール
- 小物が中心で、コバ処理の比率が高い方 → トコフィニッシュ
- とりあえず1本試したい方 → 価格や入手しやすさで決めて大丈夫です
どちらが特別良い悪いということはありませんので、両方実際に使ってみて決めるのが一番確実だと思います。
そもそもトコノール・トコフィニッシュとは
トコノール、トコフィニッシュは、革の床面と切断面をきれいに仕上げるための処理剤です。
一応、水でも同様のことができますが、仕上がりは上記製品を使用したときよりも劣ります。
床面は、仕上げずに使用すると革のカスがボロボロと落ちてきます。
そういったことを防ぐために、ものを制作する前にきちんと処理することが大切です。
革の「銀面」「床面」「コバ」とは
革には表と裏があり、それぞれ呼び方があります。
| 名称 | 読み方 | どの部分か | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 銀面 | ぎんめん | 革の表面 | つるつるしている |
| 床面 | とこめん | 革の裏面 | 毛羽立っている |
| コバ | こば | 革の切断面 | 断面が見えている |
この見分け方を覚えておけば、銀面と床面を間違えることはありません。
なお革の中には、あえて床面の毛羽立ちを際立たせて手触りなどを整えたものもあり、高級なカバンなどに使用されています。
トコノール・トコフィニッシュの使い方
床面処理のやり方
床面処理には、トコノールまたはトコフィニッシュと、ガラス板を使用します。
- トコノール(トコフィニッシュ)を革の床面へ塗る
- 少し浸透させる
- ガラス板でひたすら擦る
- つるつるになったら終了
コバ処理のやり方
レザークラフトにおいて、コバ処理はとても大切です。
コバ処理で作品の完成度が大きく左右されますし、ほつれや耐久性も変わってきます。
- コバへトコノール(トコフィニッシュ)を塗る
- 綿の切れ端でこする
- 満足いくまで繰り返す
私はTシャツを切り刻んで使用しています。
繰り返しこすることで、どんどんきれいになっていきますよ。
特に、複数の革を重ねた部分はコバ処理をしっかりすることで、とても見栄えが良くなります。
コバをさらに光らせたい場合は、コーンスリッカーという道具もおすすめです。
くわしくはこれでコバがテカテカ!『コーンスリッカー』で紹介しています。
ガラス板がないときの代用品
床面処理に使うガラス板ですが、ガラスのコップの底面でも代用可能です。
私も試してみましたが、平らな面がしっかり当たれば問題なく床面をつるつるにできました。
まずは家にあるもので試してみて、続けられそうならガラス板を買う、という順番でも遅くありません。
代用するときのポイントはこちらです。
- 底面が平らなコップを選ぶ(底が丸いものは力が均等にかからず擦りにくいです)
- 持ちやすい重さのものを選ぶ
- 縁が欠けていないか確認する(革を傷つけてしまいます)
なお、トコノール・トコフィニッシュそのものの代用としては水が使えますが、仕上がりの滑らかさとカスの止まり方は専用品のほうが明確に上です。
最初の1本は専用品を買っておいたほうが、結果的に満足できると思います。
トコノール・トコフィニッシュのメリットとデメリット
トコノールのメリット
- 浸透スピードが遅く、広い面の処理を急がなくてよい
- じっくり作業できるので、初心者でも失敗しにくい
トコノールのデメリット
- 床面の処理には少し時間がかかる
- 粘度が高いせいか、何度も継ぎ足しをしなければいけない感じがした
トコフィニッシュのメリット
- 浸透スピードが早く、塗ってすぐにこすることができる
- 粘度が低いので伸ばしやすい
トコフィニッシュのデメリット
- 広い面を処理する際には、最初に塗ったところがすぐ乾いてしまってやりにくい
よくある質問
Q. トコノールとトコフィニッシュを混ぜて使ってもいいですか?
A. 混ぜる必要はありません。作業に合わせて使い分けるほうが確実です。
Q. 塗りすぎるとどうなりますか?
A. 乾いたあとに白く残ったり、ベタついたりします。少量ずつ足していくのがコツです。
Q. コバ処理だけしたい場合、ガラス板は必要ですか?
A. 不要です。コバ処理は綿の布でこするだけなので、ガラス板は床面処理用と考えて大丈夫です。
まとめ:広い面ならトコノール、細かい部分ならトコフィニッシュ
トコノールとトコフィニッシュは、どちらが特別良い悪いはありません。
違いは粘度と浸透速度で、広い床面を扱うならトコノール、コバなど細かい部分を手早く仕上げるならトコフィニッシュが使いやすいです。
価格で決めても良いですし、今回お伝えした内容で決めてもらっても大丈夫です。
両方実際に使ってみて、自分の作るものに合うほうを選ぶのが一番確実だと思います。
これからレザークラフトを始める方は、これからレザークラフトを始める人必見!レザークラフトに必須な道具たちもあわせてご覧ください。
必要な道具をひととおりまとめています。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
皆様も良きクリエイトライフをお過ごしください。
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